一ヶ月のモニタ期間も半分程経過して、良い点も不満点もほぼ出尽くした感があります。
【サマリ】
- 荷姿は大きいが設置は簡単
- LEDならではの工夫。使いこなしで好みの色と明るさが自在に
- リモコンは機能的には充分だが寝室用の工夫が必要
- 消費電力と「おめざめ」時の明るさは◎
■睡眠商品としてのライトの役割
冬の朝、まだ暗いうちから起きるのはとても辛いものです。また、ぐっすり寝ている時に、いきなりアラームでおこされるのも不快で、以前からできるだけ気持よく起きられる工夫をしてきました。行き着いた答えの一つに、寝室の照明を工夫するというものがあります。
今はなき、松下電工製「ASSA (アッサ)」シリーズは、設定した起床時間の30分前から徐々に部屋が明るくなり、最高照度になった時にアラームが鳴って起こしてくれる「おめざめ」機能を売りにした商品でした。今回モニタしたLEDシーリングライトも、同じ考えに基づいた商品です。起床時に強い光を浴びることで、概日リズムが整うと共に、徐々に明るくなることで自然な目覚めとなり、起床時の不快感が減ることが期待できます。
モニタ商品が届くまで寝室で使っていたのは、ASSAシリーズの中でも初期のもの。白熱電球を使う品番「LBP58530K」というものでした。今回のモニタ商品の品番は「HH-LC640A」です。
最新のLED技術で作られたシーリングライトがどれだけ進化(あるいは退化)したのか、これまで使っていたASSA白熱球シーリングライトとの比較を中心にリポートします。
■設置と消費電力について
商品の荷姿は巨大です。しかし、梱包を解くとシェードの大きさ自体はこれまでのASSAと大して変わりません。四方1m以上ある巨大な箱が届いた |
上がこれまで使っていたASSAのシェード。下が今回届いたLEDライト |
気になる消費電力ですが、仕様表によると52Wとのこと。ASSAが60型ミニクリプトン球x5 (270W) だったことを考えると1/5以下と大幅な改善です。特に休日の朝など「おめざめ」で煌々と長時間点いたままになる場合も多いのでとてもありがたいです。
ASSAはミニクリプトン球なので消費電力が大きい。 消費電力低減と照度改善を目的に調光対応型の電球形蛍光灯やLED電球に一部を交換しながら使ってきた |
■構造と機能について
メインのLED照明部(直接光)は、全灯(100%)から約5%まで明るさを変えられます。全灯(100%) |
最も暗い状態(約5%) |
電球色(3000K) |
昼光色(6500K) |
2色のLEDが交互に配置されている |
くつろぎのあかり(間接光) 間接光も明るさ調整ができ、直接光との組み合わせ点灯も可能 |
常夜灯 6段階の明るさ調整が可能 |
気になったのはLED特有の反応の早さです。消灯からの点灯や、点灯から消灯に変わるときは、唐突に点いたり消えたりしないよう明るさを制御していますが、「全灯」から「普段のあかり」に戻すときや、「くつろぎ」や「白い色」「暖かい色」に切り替える時も同様に徐々に切り替わるようにして欲しいと感じます。
「おめざめ」設定時は、30分(あるいは15分)前にメインLEDが最低照度(約5%の電球色)で点灯します。その後、昼白色に変化しながら全灯まで明るくなるのですが、最低照度でもかなり明るいため、点灯直後に目が醒めてしまうことを何度か経験しています。
ASSAは白熱灯のため明るさを100%〜0%の範囲で調整できます。「おめざめ」時も点灯を認識できない位の暗さからジワジワと明るくなり、このようなことはありませんでした。ただし、全灯時の絶対的な照度不足と色は如何ともしがたく、睡眠リズムが整うという点では、今回の商品の方がはるかに良いと感じています。
ただ、できることなら、せっかく間接光のオレンジ色のLEDがあるのですから、「おめざめ」点灯時には、
常夜灯 ⇒ くつろぎ間接光 ⇒ 直接光
と、それぞれのLEDを徐々に明るくし、切り替え点灯するようにすれば、さらに良くなるように思います。
■リモコンについて
リモコンはASSA付属のものに比べるととてもシンプルです。LEDライト付属のリモコン |
フタを開けた状態 おめざめ時刻設定は時計と共用の時刻設定ボタンの長押しと操作が必要 |
もっとも気になるのは、就寝時に部屋が暗い状態で「おめざめ」設定や時刻の確認が困難な事です。
ASSAリモコンは大型で、目覚まし時計そのものという形状です。時計は見やすく、お目覚めタイマーの設定時刻は時計とは別に常に表示されます。また、夜間に表示部を見るためのライトを備えているため、就寝時の暗い中で簡単に時刻を確認したり「おめざめ」設定を変更することも比較的容易でした。
ASSA付属のリモコン 表示部を照らすライトがある。時計も大型で見やすい 時計の下には常に「おめざめ」等のアラーム時刻が表示される |
■まとめ
ここまで使ってきた感想や良い点、あるいは改善を望みたい点を下記にまとめます。- 狭い寝室ではメインLEDの最低の明るさ(約5%)でも夜は明るすぎる。「くつろぎ」間接光で十分。寝る前は特に「くつろぎ」間接光のオレンジ色が気に入っている。
- 「おめざめ」時の全灯の明るさは狭い寝室では充分過ぎるほど。「おめざめ」機能は概日リズムを整える効果が以前より感じられるのが嬉しい。
- 寝室特有の多様な照明要望に対応できている。暗く点灯させることが難しいLEDに対し、間接光や常夜灯を別途備える工夫を行っている。
- 休日と平日用に2種類のおめざめ時刻設定が持てると良い。
- あかりを切り替える時に急に変えるのではなく、全ての場合において、ふわっと変化して欲しい。LED特有の早い応答が気になる。
- 「おめざめ」機能では最低照度が問題。30分(または15分)前に点灯した段階で明るすぎて眩しく、目が醒めてしまう事がある。常夜灯→くつろぎを経て、直接光が点くようになれば良いと思う。
- リモコンの液晶画面にはライトが必要。寝室なのだから、暗くした後にタイマーセット状況や時刻の確認をしたい事は良くある。
軽く10年以上経過していたASSAとの比較とはいえ、LED照明の消費電力と明るさの改善と進歩は目覚ましいものがありました。ただ、アラームのON/OFFが本体でしか出来ないことや、リモコンの使い勝手など、使う人への優しさという面では、コストダウンの弊害が出ている可能性も否めません。
今後は技術はもとより、もっと使う人に寄り添う商品に進化する事を期待しています。
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